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12月28日(土)

そういえば。あたしは制作でCMを作っていた頃、好きなマンガのキャラクターをさん ざんプレゼンしていたのだった。鈴木志保さんの「船を建てる」というマンガのアシ カのキャラクター。このマンガは、今はなき「ぶ〜け」に連載されていたもので、絵 はスタイリッシュでそれでいてかわいくて、お話は泣ける、というほんとうにすばら しい作品だったのです。資生堂とか、自動車のCMにまでプレゼンしたなあ。結局実現 しませんでしたが。今ではその単行本を店頭で見つけることすら難しくなってしまい ました。ほんとうにいいマンガだったのに。きちんと世に出したかった。
というのを、そのマンガに出てくるアシカのようにクリクリしたムスメの顔を見て思 い出しておりました。朝、添い寝をしながら。

12月26日(木)

以前勤めていた会社(博報堂)の以前いた部署(制作)で同じチームだった人たちと、 一年に一回、忘年会をします。あたしは会社を辞めたにもかかわらず、呼んでいただ いております。今年はムスメとムコちゃんと一緒に家族で参加しました。このメンバー の方たちは、あたしが新入社員の頃からお世話になっているのです。毎日毎日、いっ しょに徹夜していた人たちです。ある意味、あたしの恥ずかしい部分をきっちりおさ えられている人たちです。みなさんまだ制作の第一線で活躍されていて、チームリー ダーだった方は役員になっていたりします。変わらないようでいて、変わっていくよ うな。揚子江みたいに長くて広い川をみんなそれぞれゆったり下りながら、一年に一 度顔をあわす、そんな感じがします。どんな感じだ?いやそれ以前にあたしは揚子江 を見たことないのですが。

12月12日(木)

いつも手伝ってくれているヨナが、とある大御所先生のところに5日間アシスタント に行っていたので、徹夜明けの彼女を捕まえてお話を聞きました。おもしろかったー。 いや、他の作家さんとくらべると、あたしはかなり特殊な描き方をしていると思うの で、「絵に描いたような〆切り前」というのがとても興味深かったのです。下描きだ けができている状態で、背景もアシスタントが描いたりして、指示は口頭で、、、あ あ、話を聞いているうちにムラムラとアシスタントがしたくなりました。あたし、やっ たことないんだよねえ。誰かやとってくれないかな。結構役立つと思うよ。どの先生 がいいかしら。・・・子持ちでムリだとわかっているから余計にやりたくなるのです。
いま、あたしが一番やりたいのは徹マンとアシスタントです。

12月02日(月)

ちょっとつまらないことがあって。ちぇっ、つまらないなどうしようかなと思いつつ、赤ん坊をおんぶしてごはん作っていたのですが、食材が足りなくて何を作ろうか迷ってしまって、背中で赤ん坊はぐずっていて、そして足元に積み上げておいた雑誌が何かの拍子にザ−ッと崩れてしまって。ああ、もうなんかやだ人生。ってひとり泣きそうになっていたら、急に次描くマンガのストーリーが浮かんだ。「あ、なんかいいかも」ってそのストーリーを手繰っていると、だんだん楽しくなってきた。ああしてこうして、って考えていくうちに、ごはんもできて赤ん坊も背中で寝付いてムコちゃんも帰ってきた。ごはんを食べる頃にはすっかり上機嫌の元通りになりましたとさ。単純でよかった。突破口はつねに頭の中にあるのだ。

11月11,12,13日

赤ん坊が生まれてからはじめての、マンガの泊まり込み仕上げです。いつも通り、ヨナとオカネヤにアシスタント業お願いしました。今までと違うのは、赤ん坊連れだということ。
今住んでいるところと事務所として使っている部屋は、徒歩1分ぐらいの距離があります(長い廊下と呼んでます)。そこを乳母車押して、マンガの道具と泊まりに必要な寝具等(替えのタオルとか)持っていくのです。集合は13:30。あたしは、赤ん坊のスペース作ったりするために少し早めにでかけました。なにせ初めての子連れマンガ仕上げです、友達とはいえ迷惑かけないかしら、赤ん坊には快適な空間かしら、能率はどうかしら、ああかしらこうかしら、とぐるぐる考えていたら。ばったり。ヨナに会いました。「わあどうしたのまだ早いじゃん」といったら「いや、赤ん坊連れて荷物が大変だろうから迎えに行こうと思って」と言われました。びっくりしました。ヨナはあたしの手にある荷物をパッと持って、段差のあるところはサッと乳母車を持ち上げててくれました。
家に帰ってからムコちゃんにこのことを告げると、「そういうのを「育ちがいい」って言うんだねえ」と言われました。・・・ああ、なるほど・・・。だとすると、あたしたちはどうかねえ。赤ん坊をそういうふうに、人のことを思いやれる子に育てられるかねえ。はじめて、子育てってムツカシイ、と思いましたよ。

11月02日(土)

カラーを描きました。
ずっと描きたかったのですが、まとまった時間がとれなくて、でもまとまった時間なんて待ってたらずっととれないやと思い、力づくで描きました。どのくらい力づくだったかというと、夜中に目をさまして泣き出した赤ん坊を左手で抱っこしてあやし、お乳を飲ませながら、右手で絵の具ぬってました。このお乳をやりながら描くっていうのは、下書きのときにもよくやります。赤ん坊は夜泣きが激しいので、3時間くらいぶっとおしで抱き続けます。途中ムコちゃんがやってきて、この姿を見ていたく感動し、デジカメで写真をとっていきました。あんたはプロや、といわれました。
力づくで、カラーを、描きました。

10月15日(水)

ついにきました。腰に。
マンガを描く時は、膝の上に画板をおいてNの字になって描いていて、しかも仕上げもその姿勢のままで、多い時は一日15,6時間ぶっとおしその姿勢で、「腰が痛くならない方がおかしい」と言われあたしもそうだと思い、でもきっとあたしは腰が痛くならない体質なんだわとタカをくくっていたら。
妊娠して体重が20kg増え、出産して4ヵ月程で元に戻り、渋谷は車が多いからとお散歩はつねに抱っこで、 多い時には2時間ぐらい抱き続け、しかも赤ん坊の体重はあっという間に7kgを超えており。
体に負担をかけまくったら、それまで溜めていたツケが一度にきた感じです。ああ、15分座っているだけでも腰が痛くてダメです。以前から赤ん坊の重さが米袋に例えられるのをきいて、そんなものをずっと持ってられるはずがない、多分出産したらホルモンの働きか何かで持てる体に変わるのだ、と思っていたのですが、変わりませんでした。腰にきました。
これまで、マンガを描くのに時間が足りないと嘆いていましたが、それに身体のコンディションの悪さが加わりました。ちくしょー、負けないぞー。とか言ってる場合じゃないんだがな。まずはギックリ腰にならないように気をつけるところから始めよう。おそるおそるマンガを描こう。

09月15日(日)

コオロギの声がきこえる。ここはマンションの5階なのに。

09月12日(木)

うわあああ。やっちまった。夜ご飯、おかずだけで9品も作ってしまいました。赤ん坊が、何故か夕方にぐずり出すプログラムになっているので、15分に1回はあやさねばならず、マンガを描くにはあまりに細切れのため、ついつい旦那が帰ってくるまで延々とご飯を作り続けてしまうのです。あほかー、って感じですね。

09月10日(火)

といっても、急にペースアップできるわけではなく。そんな中、ムコママがムスメを見ていてくれるというので、お言葉に甘えて家から徒歩1分の事務所で一日マンガを描くことにしました。哺乳瓶嫌いでおっぱいしか受け付けないため、3時間ごとに家に戻って授乳するのですけれども。いやそれにしても、おもしろかった!
事務所にいって机に座ると、魔法がかかったように気持ちが出産前の「漫画家モード」にスーッと入るのです。まわりの音も聞こえなくなって、よだれをたらさんばかりに集中して、手が痛くならんばかりにペンをにぎって、2時間半後にハッと気がつくと授乳の時間です。そうするととたんに頭が「母モード」に戻って、 名前をつぶやきながら早足で家に戻り、赤ん坊ぎゅ−っと抱きしめて落ち着く。はぁーっ・・・。そして再び事務所へ。これを今日一日3回繰り返しました。脳みそが音をたてて切り替わるのです、自分でおもしろかった。そうだった、以前会社にいきながら連載していた頃は毎日こうだった。久しぶりだった、使っていない筋肉を久しぶりに動かしたように、気持ちよかった。アメリカと日本を往復するより長距離を、脳みそがいったり来たりしたみたいだった。赤ん坊も、一日きっちり相手をしてもらえていたので、すこぶる上機嫌。ムコママさま、どうもありがとうございました。今回の100ページの中には、出産前・出産後・そしてこうした脳みそシャッフルと、いろんな状態のあたしが入っているのだなあ。

09月02日(月)

じゃーん!マンガの〆切りが決まりました。12月中旬です。「えっ、そんなに遅く」とおっしゃる方も多いでしょう。実は100ページのモノを描いているのです。単行本「12ヵ月・後編」に収録するための作品です。出産前からちょっとずつちょっとずつ、カメのような歩みで描いていたものです。こんなにゆっくりとマンガを描くのは初めてのことかもしれません。実際は、育児の合間をぬってバタバタしているのですけれどもね。そして、フシギフシギ。〆切りが決まったとたんに、気持ちがすっきり!したのです。 目標が定まるってなんてすばらしい。よーし、バリバリ描くぞー・といっても赤ん坊のペースはそのままなので、気持ちだけバリバリと。ああ、こんな風に気持ちのスイッチが入るなんて、あたしはやっぱり戦う女だったのね。
というわけで、世の中にお目見えするのは年明けすぐになりそうです。掲載誌はまた追ってお知らせします。 お年玉にぎって待っててください。バリバリ。

08月23日(金)

うれしいねえ、ムコちゃんが「Dr.スランプ」の文庫本を買ってきてくれました。「Dr.スランプ」はすばらしく正しいマンガだと思う。そして以前から、ムスメはガッちゃんに似ている気がしてたんだ。 ハッ、振り向けばムコちゃんは則巻千兵衛に似てるよな?!しかも帰ってくるなりいきなり「ダイエットのため、今から走ってくるからね!」と、ホッホッホッと出ていった、なに?なに?まるでマンガみたいなテンポ じゃないですか。あー、今の今まで気がつかなかった、あたしペンギン村の住人になってたのね?!てことは あたしは山吹みどり先生かー。ウッフーンウッフーン。

08月20日(火)

ニューヨークにいっている友達が、日本に帰ってきてライブをするというので、しかもうちの家から徒歩2分のところでするというので、ムコちゃんに「ぜったいお願い!」と半分脅しで頼み込んでムスメを預け、 久しぶりのお出かけです。いや、散歩・買い物以外のお出かけって出産以来初めてなんじゃないかしら。 会場には会社時代の友達も何人か来ていて、ほんとうにほんとうに久しぶりのはずなのに、ぜんぜん変わっていなくって、ライブをした友達もぜんぜん変わっていなくって、ライブが終わった後、みんなといっしょに 会社に帰って仕事に戻らない自分が不思議なくらいだった。「でも真里はいい顔になったね、丸くなったよ」と言われたので、照れ隠しではなく、「いや20kg太って10kg痩せたからさ」と事実を言ったら、 驚嘆された。そうか、変わったのはあたしなのか。

08月15日(木)

夜、ムスメを抱いたムコちゃんと3人でお散歩します。夜の方が、車通りも少なくて空気がきれいだからです。深夜までやっているステーキ屋さんとか雑貨屋さん、そんなモノをみながらゆっくり歩きます。 できるだけ静かな道を選んで歩きます。 キラキラいろんなものが光るので、ムスメは興味津々です。まるで夜行性の小動物のように、ムコちゃんにしがみついて目をこらしています。ムコちゃんの好きな「フキゲン」というジュースの売っている自動販売機でジュースを一本買って帰ります。コンビニに寄ったりもします。コンビニの中は寒いので、ムスメはパパとお外で待っています。通りかかる外人さんが、びっくりした顔をしたりもします。最後にエレベーターに乗っておうちに入ります。エレベーターの中はとても明るくて、ムスメは少しおどろきます。
夕方ママが抱っこして散歩に連れていく時には、それほど遠くまでいけないので、マンションのまわりの自動販売機を巡ります。ピカピカ明るく光っていて、色とりどりのジュースが入っていて、これにもまた興味津々です。お花やさんの前で立ち止まって、「これが花よ」と紹介します。マンションの裏口に生えている木の下で「これが木よ」と見上げます。このまえ、近くに住んでいるというおばあさんに話しかけられました、 「この辺にはもう子どもがいないからねえ」と言っていました。

ムスメの都会的散歩でした。

07月15日(月)

夏になって、サントリーのCMにヤられてます。
まずは、「カフェラテ・ザ・ペット」のCM。少年がつけ鼻付けて紳士の格好で、ペットボトルの子犬散歩させてるやつです。元CMプランナーの目で見て、見事でステキでかわいらしい。企画から仕上げまで、 「大人の仕事」の匂いを感じます。完成度の妙、といいましょうか。すごいよなあ。あたしはここまでは できなかったと思う、あのままCMの現場にいても。
それと「緑水」のCM。ひとつ前のはあまり好きじゃなかったんですが、この夏バージョン(少し企みを秘めて川に入る女の子と、それを追いかける男の子と、さらにそれを追っかけてくるハデ系の女の子)は少女マンガ家としてヤられます。気のない感じで「すべるよ」って言った後、ハデ系の女の子がわざとらしく「キャッ」と男の子にしがみつく。ホロ苦さを意識しつつ、「それでも、夏が好き」とつぶやいてみせる、 その感じだけでマンガが5本は描けますね。「緑水マンガコンクール」があったら、あたしぜったい 1位とれるな、とりたいな、と思いました。
ウ−ロン茶の「ジブン史上最高カレシ」っていうコピーは、元恋愛至上主義だったあたしにクリティカルヒット。しかもとってもロマンチック。
そして「南アルプス天然水」のお昼間にだけ流れている赤ちゃんバージョンのCM。今までCMっていうと 「いかにも」な感じの赤ちゃんしか出てこなかったのですが、これは、かざらない普通の新生児が 映っているのですよ。まるで自分の赤ン坊そっくり。最近持った、母の目で楽しんでいるCMです。

ああ、経験がふえるというのは、好きなものが増えていくということなんだなあ、というのを教えてもらいました、もう今は現場を離れてしまったCMに。

07月11日(木)

夜になって活性化した赤ん坊を寝かせるため、ムコちゃんとあたしとで「アニメソング子守唄」をうたいました。 子守唄っていうかアニメソングを延々うたっていただけなのですが。「マジンガーZ」では寝なくて、 「アライグマラスカル」では覚醒してしまいました。「ガンダムのエンディング」「999のエンディング」と、 エンディング系は結構うとうとしていただけましたね。最終的には、親の方が飽きて歌をやめた頃に寝てくれましたが・・・あれ?ってことは寝かしつけに歌は逆効果ってこと?!

07月08日(月)

それにしても眠いですね!
毎日隙を見てはマンガを描こうと目論んでいるのですが、一日ヒトコマしか描けないこともしばしば。 会社の忙しい部署にいながら、3誌かけもちしてたなんてウソのようです。しかもそのうち1誌は隔週連載 だったんだもんなあー。「自分のペース」というのがいかに大きいものであったか、つくづく思い知らされます。仕事もマンガも、きつくなってきたら1時間ずらしたり前倒ししたりでやりくりできたのですが、 赤ん坊相手では「おっぱい1時間我慢してくれ」きかないので。今まで「この世で一番大事なのは時間」と いう価値観の元に生きてきたあたしでしたが、自分の時計をほかに預けてしまったようです。しかも 言葉を理解できなければ自我もない相手に。




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