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99年6月〜7月分

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7月31日(土)

ふぁあああーーー、ばふっ!
やったあ!やったあ!昨日から今朝にかけてちょー久しぶりに麻雀やったよ。そこでなんと!「スーアンコウ」出したのだ!役マンだー!しかもただの「スーアンコウ」じゃないよ、親で、「リーチ」「一発」「ツモ」「ダブ東」「ドラ3」の「スーアンコウ」なのだあああ!お店にいた人全員から拍手してもらったよ(笑)。麻雀知らない人はごめん、わからない話だろうが、あたしは結構役マン率高いのだ。なんてったって生まれてはじめて麻雀やったときに「純正九連宝灯」あがったことあるし、しかも今あたしのいる会社の役員やってる人から(笑)。いやあ、でも久しぶりでした。
麻雀には神様がいて、麻雀は人生である、という人がよくいるが、ちょっとわかりますね。まづ、性格が出るのだ。慎重な人は慎重だし、一発屋の人は一発屋。あたしはモーレツ一発屋かも(笑)。一晩中かかってその目に見えない「運」を自分のほうに手繰り寄せていくゲームだ、と以前友達も言っていた。昨日はほんと一時的にバカづきして、神様がタイムサービスでごほうびをくれたみたいだった。それまで実は麻雀の神様って信じてなかったんだ、あたしにとっては「性格占い」みたいなもんだった、麻雀って。でもその瞬間ほんとにいる気がした。あがってしばらくは、その目に見えない神様と対話してる感じがしたのだ。大げさに聞こえるかも知れないけど。「UFOを見た」と主張する人の見方を変えなきゃいけないなあ、くらいはほんとに思ったんだってば(笑)。

1999年7の月の最後の日に、少し神様を信じた瞬間があったのでした。


7月30日(金)

あああ、3話が終わったよ。。。一息。今日はちょっと遊んでしまおう。 仕上げはほんとは自分でやりたい。たぶん絵を見ていただければわかるのだが、あたしのマンガはトーンを貼る=絵を作るということなので、できればペン入れを誰かにやってもらって、仕上げをあたし、が理想(笑)。
でも、仕上げの修羅場に友達がいる、というのも実ははずせないファクターなのだ。女友達はいいなあ、とこの年になって思うようになった。昔はあんまり感じてなかった気がする、ちょっとくじけそうなときにそばにいるだけで、根本とは何ら関係ない話をして、ただひたすら同じ時間を付き合ってくれる、それがとっても気持ちいいことに。(あ、でもお手伝いに来てくれている友達はきちんと仕事してくれています、念のため)でも、今になってありがたいなあ、「あ、むしゃくしゃしてるんだ」ってことを口に出さずにいてくれること。自分が忙しければちゃんと断ってくれること。それぐらいの距離。いやべつに手伝いに来てくれているときだけでなく。アソビを断っても断られても痛くない距離。痛くない断り方。ココロの痛いところを触らずに見ててくれる遠さ。昔はわからず、くっついてばっかりいた。気持ちいい距離が自分で分かってなかったんだ。


7月28日(火)

2000年のカウントダウンの前に、あたしには二つ、カウントダウンがある。あしたがそのひとつめ。3話目の「泊りこみ仕上げ」の日だ。しかも今回は1日で仕上げないと間に合わない。。。24時間ないよ。ル・マン耐久より長いよ。。。。がんばってきます。


7月某日(金)

そういえば。
金曜日、年下の男の子に「プロレス見に行きませんか?」と誘われた。他に用事があったので断ったけど。
。。。ただたんにみんなで見に行くのに券が1枚あまっただけのことなんだけどね。後から頭の中で文章化すると「いいはなし」じゃん、と思ったので書いておこう、と思いたったのだった。ただそれだけ(笑)。ちなみにあたしは彼に「ちんぽくん」とあだ名をつけている。「まりさん、それ逆セクハラですよ」とその子はいつも困っている。いいはなしだ(笑)。


7月23日(金)

昨日家に帰ったら、「キューティ・コミック」からゲラ(といっていいのか?)が届いていた。「キューコミ」は印刷も紙質もとってもいい(編集部のこだわり、ですね)ので、貼ったトーンがつぶれずに出てる。「キューコミ」以外のところではもう少しつぶれ気味になるので、うすめの31というトーンを使っているのだけど、どうやら「キューコミ」では薄すぎる感じだ。トーンで輪郭線をぼやかしたい。輪郭線は空気との境目。そして少し太めの線を描いたら人は線の内側を見るのだろうか外側を見るのだろうか、いつも悩む。でもトーンが先に目に付くのもいけない、上手い具合にとけてくれないと。 同じ「ぶ〜け」でもオフセット印刷のところとそうでないところで、やはりトーンの出具合がちがうので困っていたところ。載せる媒体ごとにトーンの種類を変えてくしかないか?「キューコミ」だったら42番くらいがいいかんじかも。でもこの前31番を大量購入しちゃったぞ。○ページ目の○コマ目のトーンがいい出具合だぞ、ここ何番貼ったんだっけ。。。そもそも梅雨の時期とそうでないときで、印刷の出具合ってちがうのか?


7月22日(木)

昨日の雨の降り方に、ああ夏だ。。。とはしゃいでいたら、 今朝の新聞で 「大雨と落雷で死亡」の記事が。あたしのせいじゃないのはわかっちゃいるが、「ごめんなさい。。。」と思った。


7月21日(水)

カミナリが鳴って雨が降った。夏休みの始まりだ。帽子を高く投げるのが、夏休み。な、気がする。理由はないが、そう、思う。


7月20日(火)

今日は海の日。インターネットカフェから書いている。実はもうずっと うにょうにょ言っていた4話目のネームががまだできてなくって、明日 チェックだから夏休み最後の日の小学生のようになっている。ああ、やらなきゃ。。。 よく他のマンガ家さんが「ネームのときがいちばんつらい」と言っているじゃないですか、それですね。 「あさま」でゲットした「いける感じ」だけでほんとにいけるかというと「現実は甘くなーい」って 途中うまくつながらないページが出てくるだけであっという間にくじけてしまう。 自分で思っているよりもデリケートなのか(笑)?


7月19日(月)

日曜日はとうとう1日も外に出なかった。30分マンガ描いては30分寝て、を繰り返していた。集中しつづける体力が出てこない感じ。雨が降ってるのか今何時なのかよくわからなかった。マンガを描いているのも実はウソなんじゃないかという気がしてきた。TVつけっぱなしだったので、しばらく会っていない友達より草薙くんの方を身近に感じたりした。実感がないまま、マンガだけはコチコチと進んでいった。現実味ってなんだ?


7月16日(金)

生まれてはじめてのことをしてしまった。しかもわざと。
家に帰っているにもかかわらず、3日間同じ服を会社に着て行ったのだった。
朝起きるともちろんねむくて、服を選ぶのもつらいかんじだった。なんでパジャマは3日間着たきりになったりするのに、服はダメなんだ?しかもオフィスは冷房が効いていて暑くない、寝るときのほうが汗かくのに。だいたい3日前に選んだ服がいちばん「楽な服」だった、その後も徹夜が続いたんだからこれ以上苦しい服を着る理由はない!と、モーレツな信念とともにやってしまったのだった。。。だめか?だめなのか????


7月14日(水)

すんごい降った、雨が。ザアアアと27時間くらいぶっとおしで。今まで空にこんなにたくさん水が溜まっていたのかとあらためてびっくりした。
そんな晴れ間と仕事の隙をついて、今日は5ヶ月ぶりに、念願の髪を切りに行ったのだった。思えば梅雨の時期に毎年髪型を更新している気がする。頭の上に溜まっている重苦しさに耐えきれない結果なのかもしれないなあ、髪の毛切るのって。


7月13日(火)

今深夜3時すぎ。会社に残って仕事。でも、周りのみんなも残ってる。若い男の子が買い出しに行って、コンビニのサラダとかカップ麺とかみんなで食べてる。 文化祭の前のようで、こういう残業はきらいじゃない、マンガが心配ということを除くと結構好き。でもこれは徹夜麻雀してても思うこと、「みんなごめんねー、ちゃんと化粧直ししないから、朝になるにつれブスになっちゃうのー」。こればっかは学生の頃あんま思わなかったなあ…あ、でも途中でトイレに入ってマネージャー同士で化粧道具貸し借りしあったりしてたの、思い出した。そう、あたしはラグビー部のマネージャーだったこともあるのだ、その昔。「でも、今の方がいいや」と思った。わけもなく、そう思ってヨーグルト食べた。周りのみんなはハタチのあたしがいいかもしんないけどね。


7月12日(月)

日曜日の、正確にいえば月曜日の朝まで「われめでポン!」を見ながら描いた。5枚ペン入れできた。実は週末に「六本木・ど真ん中・新築・高級マンション」(ただし、日当たり、風通し悪し)を知り合いの知り合いが売りたがってる、という話があった。しかも破格の値段!本気で安い!さらにあたしはねぎって「○万円だったら買う」と申し入れといた。平米数を換算するとリビングだけで20帖くらいになるはず、かっこいいなあ。しかし困ったなあ、「お金で解決」とか言ってたらいきなり港区民になる話ですかあ、タレントとかいっぱい住んでそうだなあ、港区の区民税ってやっぱ高いのかなあ。なーんて考えていた。目では「われめでポン!」を追い「そこはやっぱり1ピンを切るでしょう」とつっこみ、手ではマンガを描きながら。
月曜日会社に行ったら「やっぱあの話ナシ」とひとこといわれて、おわった。 結局あたしのリアルな週末は「われめでポン!」だけだった。


7月10日(土)

会社の仕事が忙しくって、いやそれは寝なきゃ済むだけなんだけど、その分マンガができなくて閉口する。1日はどんなにがんばっても24時間しかない。 それだけはどんな金持ちだろうが政治家だろうがのばせない。通勤時間往復約1時間半かかるのがなんともやるせない。一週間にしたら7時間半…。2ページ描ける。顔洗ったり歯を磨いたり、お風呂に入ったりするのがどんなに短縮しても1日30分、1週間で2時間半…。1ページがんばれば描ける時間だ。ご飯は1日1食にした、寝る時間もぎりぎりに設定してある。これ以上何処から時間をもってこよう?会社から5分以内のところに引っ越すか?神保町に物件があるとも思えないけど、お金で解決できるものなら、そうしたい。ほんとにそれで解決つくなら。


7月07日(水)

4話のいい終わり方が浮かんだと思ったら、導入部分が消えてしまいそうになる。「あさま」のなかでGETした「いける感じ」の感触をたよりに組み立てていく。3話も直しながらかきすすめていかなくちゃな。インターネットからシャベルカーの資料をいただく。
会社の仕事も、トイレに行くのをがまんしながらやるほど、忙しくなっている。
秋本くんの「はじめての転勤」、ほんとはずっと前に打診してあったのだ。 「もう無理かな、忘れちゃったかな」とちょっとしょんぼりしていたところに、きちんと書き込んでくれた。少しあったかい気持ちになった。ばたばたしてるときは涙もろくなっているんだな。


7月06日(火)

通勤電車にゆられていたら、4話のいい感じの終わり方がうかんだ。 1話からのスピード感と、少し違う感じの終わり方。でもいいかも、とずっと それを頭の中でコマ割しながら会社に来た。もしかして「移動する」というのは人間の脳によい影響を与えるんじゃないのか?「ぽこん」とうかんで「よい」と思える瞬間は、いつも電車の中だ。


7月03日(土)

生まれてはじめてインターネットカフェからアクセスしています。
今日は実家長野で法事があったので、朝イチの「あさま」に乗って帰った。 親戚一同、商売関係の人たちの前で「だめ長女ぶり」大爆発。最後は いたたまれなくなって、会場から抜け出し、寺の誰も通らない廊下で 寝る始末。久しぶりに会う親にも「時間におこさなかった」の「電車に 間に合わない」だのだだこねっぱなしだった。
新幹線になってからの「あさま」にも大いに不満があり、帰りもわざわざ 喫煙席指定で取ったにもかかわらず、タバコの車内販売ありませんとのこと。 モーレツがっかりしてコーヒーだけ買ってすすっていると、売り子の 女の子があたしの顔があまりにもがっかりしたものだったのだろう、 わざわざ同僚の人から一箱わけてもらって「これどうぞ」と 差し出してくれたのだ!うおおおお!「世界中の男!今ここにモーレツ イイ女がいるぞ!この子をどうか幸せにしてやってくれ!」と心の中で 叫んだ。法事で祈った内容よりきっと確実に神様に届く勢いで叫んだんだ。
その祈りがどう通じたのか、みるみる機嫌の良くなったわたしの頭に 「BX」4話が「ポコン」とうかんだ。うかんだというより「これでよい!」 という自信がわいてきたというべきか。むむむ、こうしよう、とすると 3話はなおさなきゃな、なおしましょうできるかぎり、結構行けるんじゃないか、 連載の読み物としてはどうかと思うがきっと単行本になったときのまとまりは いけてるんじゃないか、かなり乱暴な1冊になるだろうけどそこもまたいーじゃん。 思いつく限りの台詞を紙に書いて上野に到着したのだ。
不思議だ、たった一箱の煙草があたしのいつもの「モーレツ前向き志向」に 火をつけた。その勢いで家の近くにできたインターネットカフェに飛びこんで こうして書き込んでおります。人間って単純だなあ、すばらしいなあ。
もらったタバコの箱はいつかあたしが世界的有名人になったときに「あたしを 変えた一箱」といって世に出せるように、大事にとっとこうかしら(笑)。 そして「あさま」でであったあの女の子が幸せになりますように…。


7月01日(木)

「ぶーけ」で担当してくださっていたM氏が異動で他のマンガ雑誌に移ることを今日聞かされた。「まじですか?!」
実は「BX」その担当さんとの間で、4話目以降も続けましょう、「今のぶーけっぽさからはみでたもの」をつくりましょう、という話で進めてきたものだったから、4話で終わらない構成になっていたのだ、あたしの頭の中では。 いきなり4話で終わらせて、次の話描いて下さいということになったらどうするんだろう。今のぶーけの中ではかなり「実験的」な感じのもので、少し長めにやったら定着するかな?と思っていたのに、「実験空中分解」「失敗」か?「失敗」に向かって描くのか。。。
会社員でもあるので、自分の異動に関してはぜんぜん気にもとめないのだけれど、他人の異動で作っているもの…アウトプットが変わるなんて初めてだ。でも「こう」なんだろうな。「マンガってこういうもの」なんだろうな。


6月30日(水)

昨日夜、大阪にいる子と電話で話した。「こっちは雨ですよ」「東京も雨だよ。おんなじ雨に降られてるねえ」「カミナリ鳴ってるんですよ」
その”大阪の雨”が今朝東京にやってきた。ずぶぬれで会社に行った。ああ、梅雨はやだねえ。気に入らない服を毎日着て歩いてる気持ちになる。


6月28日(月)

久しぶりに映画館に映画を見に行った。「ブレイド」。この前映画館に見に行ったのは「ムトゥ・踊るマハラジャ」だった。そのとき寝てしまったので、 一緒に行った子が「眠くなかった?大丈夫?」ときいてくる。格闘技大好き人間にとっては「ムトゥ」も「ブレイド」もいっしょなのか(笑)違うってば(笑)。
ところで映画でNYがでてくるたびに「ダウンタウンてこわいなあ」「東京もNY化してるんだよなあ」「今のうちにアップタウンに土地買ったもんの勝利だよなあ」「。。。ああ、宝くじかわなきゃあ」と思う。いつも、思う。


6月23日(水)

昨日友人が自殺した。同い年の子だった。
小学校のころ朝日新聞のコラムに「13歳以下の子は自殺しない」と載っているのを見て「ああ、あたしはしないんだ」と安心したのを思い出した。それとまったくおんなじに、「30歳を過ぎると自殺しない」んだと思っていた。 するときは借金とか物理的な問題だろうと信じていた。自分の暗いところを見ないで過ごすやりかたとか、これはだめなほうに向かうから避ける方法とか、 そういう「健やかな経験」が30歳を過ぎることのご褒美だと思っていた。
「30代ってのは、生きる努力をしないとすぐ死にそうになる年頃だね」と、また別の友人が言った。それは10代のころに終わったと思っていたのに。ここまでくれば助かる、っていうのがあると本当に信じていたんだ。


6月21日(月)

ネームをやっているときが人生で一番、自信喪失の瞬間。
今回はこれをやろう、と毎回遠い目標をたててそれをにらみつつ描いている つもりなのだけど。このエピソードを入れたらはずれちゃうかな、 これはあざと過ぎるかな、パターンに陥ってるかな、この1ページの台詞が たるいかな、そもそも目標にしてる「伝えたいこと」自体違うんじゃないかな。悩みっぱなし。
連載は短編と違って、その目標からうんと遠いところからスタートしなきゃ いけない。短距離ランナーの筋肉とまたちがう、長距離ランナーの筋肉を 使わなくてはいけない。その走り方を学習しなきゃいけない。でもそもそも あたしに筋肉あるのか?
と、哲学的になっちゃいけない。走りつづけなきゃいけない。でないと誰も 見てくれない。批判されるのはいい、見られないのは死んでるのと同じだ。


6月18日(金)

会社の部署移動で、廊下に新しい棚がたくさん積んであった。クリーム色の つるつるした棚。横を通るとなつかしいにおいがした。ああ、新学期のにおいだ、と思った。


6月17日(木)

昨日「BX」3話目のネームの打ち合わせをして、夜、直し作業にとりかかる。 予定ではもう3話目の下絵ができていないといけないのに。決められたページ数の中で変更箇所を埋め込むのが一番頭を使う。「BX]はとりあえず4話まで 描くことになった。やばい。間に合わない。でも面白くなくちゃいけない。 フジテレビではピンガが「おはようなのだー」といっている。毎朝これを 見てから寝る。あまりにもの無邪気さに脱臼するから。


6月15日(火)

今日は誕生日です。おめでとー。ありがとー。一緒に仕事している「シスターズ」の名を持つ女の子たちからマニキュアセットをいただいた。会社の人たちはしゃぶしゃぶでお祝いしてくれた。引越しに伴いわたしのパソコンはこわれたままで、私自身の仕事はとまったまま。松尾くんという男の子が1日中はりついて復旧作業に従事してくれている。昨晩はマンガをやらずに寝てしまったのに。みんな、ありがとう。一番ダメダメなのはあたしなんだよ。


6月○日(○)

チャーハンを作ろうと思って、やられた。

冷蔵庫から取り出した卵には、日付が表示されていたのだ。「6月・・・?、6月○日?!、○日!!!」
頭の中が真っ白になった。しばらく卵をもったまま、ぼーぜんとしていた。○日。。。あれもこれも そしてマンガも、間に合わないスケジュールじゃないか。。。!
無意識のうちに日付を見ないように過ごしていたらしい。それがたったひとケースの卵に、やられた。油断した。全身硬直なんて、はじめてだったよ。まるでマンガだ。


6月11日(金)

会社の組織替えがあってその引っ越し作業に追われている。大人になって良かったことは、 席替えが人生の一大事ではないとわかっていることだ。もう誰が隣に来たってそれ程ショックを受けたりしない。
でもかなしいことがひとつだけある。
岡崎真里のプロフィールにも書いてある「電脳体」という組織名がなくなることだ。別のカタカナ表記の名前になる。
名前はとても大事。と思っていて、わたしが世界で一番かっこいいと思う名前は「ホワイトハウス」だ。 コドモでも知ってる単語で、見事にモノを言い当てている。さすがだ。最近ならった単語でかっこいいと思うのは、 インターネット用語で「ファイアー・ウォール」。。。あと自分にどういう名前を付けるかによって、その個人の 「大きさ」がわかるきがする。以前仕事したちょっとやんちゃな顔の演出家は、ナレーター をするときの芸名として自分に「いちじく」とつけていた。なかなかできないよ、これは。その名前を聞いた 段階であたしはその演出家の人を「よし」とした。
「博報堂電脳体」はその「ホワイトハウス」に匹敵すると思っていた。異動希望した理由に「名前がかっこいい から」がなかったわけじゃない。だってなかなかできないよ、従業員何千人の会社の一部署に 「甲殻機動隊」みたいな名前つけるの。しかも実験的部署にふさわしく、「なにかやらかしそう」なかんじもする。 社外の人にもすぐ覚えられていたんだ。
それがなくなる。日本からかっこいい名前がひとつ消える。かなしいからあたしのプロフィールは そのまんまにしておこう。。。しばらく。
ちなみにあたしがマンガを描くときとイラストの仕事をするときで、ぜんぜんちがう名前をつけなかったのは、 「つけられなかった」んだ。これから先何年も自分が「かっこいい」と思える名前がうかばなかったんだ。


6月9日(水)

水天宮の話を書いておこう。
以前水天宮という駅に仕事で降りた(もうだいぶ前だけど)。 それまで、水天宮という駅はあたしのあこがれの場だったんだ。あたしの通勤電車の終着駅なんだ。 水天宮。名前がいい。以前関西に住んでいたとき「蛍ヶ池」「雲雀丘花屋敷」とかあったけど、それに匹敵 するくらいかっこいい。もうすぐできる「清正公前」と同じくらいインパクトがある。部署が変わった今年の初め には、慣れなくて、会社帰りしょっちゅう反対方向の電車に乗ってしまっていた。そこで降りるのが「水天宮」 だった。地下で電車を降りて、どうしても地上が見たかった。地上にある水天宮とその街をとてもとても 見たかった。今この瞬間「水天宮」を欲しているのは、世界中であたしが一番、グラフにしたらダントツ一位、 でもどんなグラフなんだろう、いろいろ考えたが、いつも終電間際だったので涙をのんで地上に出ずじまい だったのだ。
それが仕事で降りる機会があった。(もうだいぶ前だけど)。夜で、水天宮はライトアップされていた。思ったより 敷地は狭かったけど、建物自体はイメージ通りで感動した。水天宮。未来のアメリカ人が「ジャパニーズ・ ラブホテル」といって建てた建物みたいなんだ。


6月8日(火)

晩ご飯を食べながら、「10億円当たったらどうするか」と「28億円当たったらどうするか」を話し合った。 10億円までは使い切る自身がある。でなきゃ宝くじなんて買ったりしない、使い道があるからこそ欲しいのだ。 ところが28億円は。。。困った。目の前の人が「俺、使い道あるな。ベンチャー企業買い占めたい」といった。 すごいな、そうか、じゃあ50億でもいいんだな、100億あったらベンチャーじゃなくってちゃんとした企業 買えるんじゃないのか、2つとか買うのか、組み合わせて遊べるな、なんだ、あたしの夢は小さいな、 10億円止まりか、なんだ、限界見えてるものじゃないか、つまんないな、あたしって。


6月5日(土)

ネオンで彩られたおしゃれな東京ドームと遊園地のわきに後楽園ホールはある。入り口エレベーターも ひなびたゲーセンのわきだ。この日はスポーツライターの 田中さんから券をいただいて、ボクシングの試合を見に行った。客層は一種異様で、みんな「男臭い」。 「彼氏の顔」「パパの顔」より「男の顔」がたっている。その臭いにあてられて、くらくらしていた。 斜め後ろに座っていた「ぜったい殺し屋風味」と名付けた男の人の一挙一動に目が釘付け。一人で 見に来ていたその男は、あたしの中の「殺し屋イメージ」をまんま裏切らずに再現してくれていた。 後ろの席の男の人たちの会話も、「男の子風味満載」で、ふだん女であるあたしがなかなか耳にすることは ないタイプのものだった。くらくらきながら、「けっこうきらいじゃない」と思ってた。「あたしはバーのママとか 好きで出来るかもしれない」と考えていた。


6月3日(木)

CMをやっていたころお世話になったプロデューサーの人から電話がかかってきて、久しぶりの人たちと ごはんを食べた。「変わらないですねー、岡崎さん。うれしいっすよ」といわれて「そりゃ半年で変わったり するもんじゃあんめえ」と思っていたが、その人たちの会話もあまりに変わらないものだったので、 いちばんその「変わらなさ」に喜んでいたのはあたしだったかもしれない。その夜、CMの現場の夢を見た。 モデルの人のおっぱいが見えてしまって、「ああ、このカットはつかえないなあ」と思っている夢だった。 夢の中であたしはあまり楽しくはなかった。


6月1日(火)

金土日月とホテルでかんづめになっていた。会社にもそこからかよった。その4日間で勇気づけられる笑顔を 向けてくれた人7人と、泣いている女の子2人に会った。せっぱ詰まった徹夜が4日間つづくと、そういう 他人の感情にはとてもとても敏感になる。感覚は研ぎ澄まされている。しかし思考はといえば「人間食べずに生きて いけないか」なんて浅いところをぐるぐるしていた。もちろん運動能力の方は思考とは別に働いている。 そういうふうに体の神経がばらばらにされていくのを、ゆっくり感じていた。交通事故で車にはねられた瞬間、すべてを スローモーションで把握しておきながら、体がついていかない、を体験した。4日間かけて。





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